家で飼っている猫です。


「猫の毛」の巻(5月30日)

けっこう毛が抜けます。燕尾やタキシードは毛がつきまくって大変です。
衣装ケースにはいつもガムテープが欠かせません。ガムテープでぺたぺたと毛を取るんです。
あと、ソファーなんかにも毛が大量に付着していたりしていてうっかり座ると毛だらけになります。
家中至る所にガムテープが置いてあっていつでもどこでも毛を取れるようになってます。

 

「猫の葬式」の巻(6月9日)

上の写真の猫の前に家にいた猫の話です。
とてもわんぱくな雄の黒猫でした。手足の先とアゴだけが白くで尻尾がながいスレンダーな姿でした。
外には出さずに飼っていたのですが、自分で窓をあけたりしてたまに外出してしまいます。
かならず近所の猫と喧嘩して帰ってきます。名誉の負傷を負ってくることがほとんどでした。
そんなわけで、界隈ではちょっとした顔だったようです。
その猫がわずか3才で世を去った時のことです。
長い闘病生活の末、夕方、家族が帰ってくるのを待っていたかのように、皆の前でひと鳴きして死にました。
翌日、猫を庭に埋めてそこに梅の苗木を植えました。
するとその日の夕刻から、彼といつも喧嘩したり遊んだりしていた近所の猫たちが、
かわるがわるその苗木を訪れて、クンクンと土の匂いを嗅ぎながら幹を一回りして去っていきます。
それ以来、その猫たちは二度とわが家に姿を現さなくなりました。
どうして彼の死が分かったのか今でも不思議です。
十年以上たって、その木も秋には立派な実をたわわにつけます。

 

「猫のおやつ」(6月27日)

ベビースターラーメンというお菓子がありますが、うちの猫は文字どおり
三度の食事よりベビースターが好きです。
ベビースターの袋をがちゃがちゃと開ける音がしただけですっ飛んできます。
あくまでおやつですから、一回にあげる量はピンポンだま一つ位です。
私は家にいる時間が他の家族より圧倒的に少ないし、餌をあげる回数も少ないので
気難しいうちの猫と、ちょっとしたいさかいで気まずくなってしまうのですが、
ベビースターさえあれば一発解決です。
家族のご飯の時間も魚が献立の日になどに、ちょっとちぎって猫にあげるのも私の役目です。
他の家族は癖になるから、躾が悪いと言ってやりません。
そうやって、猫の機嫌をとっています。

 

「猫の季節」(7月2日)

うちの猫は姿形は美しいし、躾も行き届いている。
齢13才とは思えないほど敏捷で今まで病院にかかったことは一度も無いほど健康です。
ただ性格が悪いんです。・・・というより対人関係まったくなっていません。
主人を主人と思わない、客を客と思わない傲慢ぶり。
愛嬌というものがまるでありません。
抱かれ嫌いでちょっとでも気に入らないことがあれば、相手が誰であろうと平気で爪を立てます。

家族の中で一番なついているのは母で、私は下から2番目。
一番なついていないのは真ん中の弟です。
要するに家にいる時間の長い順になついているんです。
客は更にその下で、うちの猫からみればまったく人間扱いしていません。

ところが、それがひとたび発情期になると全く逆転します。
敢えて例えるとトランプの「大貧民」の革命のようなものです。
追い払っても追い払っても人にまとわりつき、
それも普段人間と思っていない順にまとわりつきます。
しかも一日中ギャオギャオわめいています。

そんなとき家に帰ると、うるさくて最悪です。
いつもは無視したり引っかかれたりしている私は、そんな時だけ寄ってこられても良い顔はできません。
四角く切ったガムテープを頭に着けてやったり、煙草の煙を吹きかけたり、
「でこピン」をお見舞いしたりして遊びます。
動物虐待と言われようと構いません、またスリスリ寄ってきます。

発情期は1週間程でうそのように終わってしまいます。
食器棚の上からチラリを私を一瞥して再び瞑想に入るのは、平静さを取り戻した証拠です。
不思議と発情期中に私にいじめられた記憶は残らない様です。

 

次回、「グルメ猫」をお楽しみに。

 

10月24日深夜 

ロンは夏からお腹にできた腫瘍が悪化して死んでしまいました。

たまたまその日は家内と実家のほうで夕食を食べていました。
ロンの具合がことのほか悪いので、今晩あたりが山かな、と思ったのですが、
その通りになってしまいました。お別れができたのが救いです。
その後私たちは実家からマンションに帰り、母は用事で出かけたのですが、
その数時間後、母の帰りを待って最後にひと鳴きして死んだそうです。

翌日曜日、朝、前に飼っていたパイの隣にロンを埋めました。

 

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