旅行を終わって
9月11日に起ったアメリカ同時多発テロの影響で内外のオーケストラ海外公演が中止になったり、あるいはデトロイト響、ベルリン・フィルなどは一部団員の不参加という状態で欧州ツアーを実施しました。そういう状況下で札響の英国公演は直前まで実施が危ぶまれたにも関らず全員参加。そして大きな事故などのトラブルもなく18日間の英国公演を無事終了し、現地で熱烈な歓迎を受け、大きな成果をあげることができました。 外務省や英国日本大使館、ジャパン2001実行委員会などによる「英国内は安全」という助言があったとは言え、10月8日の米英によるアフガニスタン空爆、そして出発直前のアメリカ国内における炭疸菌事件などまったく予断を許さない状況下、そして日本国内における過剰ともいえる報道で大いに不安を煽られ、大揺れに揺れた決断だったと思います。 10月12日の札響特別公演での理事長挨拶に「尾高氏と楽員の熱烈な意思」という言葉がありました。不安の中最終的に”熱烈な意思”を固めた一人一人の楽員を少しだけ褒めてほしい気持ちがあります。そして何年もかけて準備を進め、旅行中も労を惜しまず影で支えて下さった、梶本音楽事務所、読売旅行、医師、運転手、ジャパン2001委員会の方、楽器運搬スタッフの方々、演奏旅行に随行していただいたマスコミ、評論家の諸氏に一楽員として心から感謝しています。 行く先々で聴衆に歓迎され、本当にいい演奏旅行でした。 2001.11.6 |