3月定期 投稿者:どーもくん 投稿日:2009/03/22(Sun) 00:11 No.770 | |
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第1日目、夜の公演を聴きました。はっきり言って、この日は神尾真由子のための演奏会でした。満員の聴衆の前に現れた時から、そのドキッとするようなドレス姿から既に聴衆を捉えたのでした。(二日目も同じ衣装だったのでしょうか?)そして、ブラームスの協奏曲の最初のバイオリンの音から最後まで聴衆の集中力を切らすことはありませんでした。評論家の方ですと素晴らしい表現になるかも知れませんが、私の語彙の少ないことばで表すとすると、「竹のようにしなやかでシャープな音色」とでもいいましょうか。情熱を秘めた強い音楽でした。でも決して機械的ではなく魂のこもった演奏でした。22歳でこの存在感、カリスマ性はすごいですね。これからも何度も聴きたいと思った演奏家でした。それに比べて、「田園」は今ひとつでした。プログラムとしてもなぜ、この曲がメインなのかと思いました。ブラームスの1番とかベートーベンなら7番の方が1曲目とバランスがとれるのではないでしょうか。荒木さん、この演奏は「ピリオド奏法」ではなくいわゆる「モダン」奏法の典型なのでしょうね。それが悪いわけではないのですが、テンポの遅さに団員の方々が戸惑っているのがよく分かりました。第3楽章でアインザッツが合いませんでしたが、あんなに札響が合わなかったのは、「レニングラード」以来だったと思います。それだけ意思の疎通が悪かったのでしょうか。2日目はどうだったのでしょうか。おそらく、札響の皆さんは尾高さんの快適なテンポのベートーベンに慣れていてシュナイトさんのテンポに違和感を感じながら演奏されていたのではないかなと想像されますが、どうだったのでしょうか。でも、この日は神尾さんの素晴らしさで救われたと思います。そういう演奏会があってもいいのではないかなと思いました。ご苦労様でした。 |
| Re: 3月定期 Pilsner - 2009/03/22(Sun) 08:21 No.771 | |
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昨日のマチネを聴いてきました。 1日目はどうか分かりませんが、2日目の演奏には心から感動しました。 全体に穏やかだが弦と管が絶妙にブレンドされており、音色豊かな響きの香気に浸り、遅いテンポも気になりませんでした。田園の最終楽章など「ああもう音楽が終わってしまう!」と惜しく思ったほどです。オーケストラの音楽に宗教的な崇高さを感じたひと時でした。
札響は指揮者の意図に良く応えており、kitaraのよさも最大限発揮されていたと思います。弱音域の豊かなニュアンス、柔らかな感触は最高でした。 チェリビダッケのような音楽家でオケの皆様は相当ご苦労されたと聞いています。 本当にお疲れ様でした。願わくば再度kitaraで聴いてみたいものです。 |
| Re: 3月定期 todo - 2009/03/22(Sun) 09:50 No.772 | |
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2日目の昼定期を聴きました。 神尾真由子は既に完成された音楽家だと思いました。すべての音が完璧にコントロールされていて、技巧がすべて音楽に結びついています。以前テレビのインタビューで「他人の演奏は聴かない」と言っていたのですが、自分の感性に自信があるからなのだと頷ける内容でした。音は特に弱音が美しく引き込まれましたがffはちょっと荒い感じでした。またテンポは指揮者の意図なのかちょっと遅めで、もう少し早めの方が神尾良さが出たのではないかと感じてしまいました。 田園は、すばらしかった。中学時代に好きで毎日のようにベームの録音を聞いてました。特に5楽章はゆったりスケールの大きな音楽で感動的でした。コーダがまたさらに遅く一つひとつのフレーズを噛みしめるような演奏で、懐かしさもあってか不覚にも涙が出てきました。満員の聴衆からも万雷の拍手で、指揮者もコントラバスにまで握手を求め(いつもなのかな?)満足の様子。私は夜定期に行くことが多いのですが、2日目の方がオケともしっくりいって名演奏が聴けるのかなと思いました。札響のソロも好調ですてきでした。
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| Re: 3月定期 bravissimo - 2009/03/22(Sun) 13:19 No.773 | |
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私も2日目の昼定期を聴きました。 田園は、多少のミスやピッチの甘さはあったものの、とても素晴らしい演奏でした。特に印象的だったのは終楽章の最後部のsotto voce。指揮者のハンス=マルティン・シュナイトさんが一度指揮棒を置き、賛美歌を振るように構えると、ささやき声のような静かで優しい音楽が奏でられました。いつまでもこの響きの中に浸っていたい、と思わせる音楽。これが芸術だと思わせる、生演奏ならではの体験でした。 ブラームスの協奏曲も熱演でした。この協奏曲は、ブラームスがヨアヒムからアドヴァイスを受けて作曲し、献呈されたユアヒムが初演で独奏したもの。そして、神尾真由子さんが使われているストラディヴァリウスは確かかつてヨアヒムが使っていたもの。初演で使われたであろう楽器でこの名曲が聴けるような機会、なかなか経験できるものではありません。 本当にいい演奏会でした。 |
| Re: 3月定期 あらき@管理人 - 2009/03/24(Tue) 00:38 No.775 | |
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皆さま、書込みありがとうございました。 シュナイトさんの3月定期は色々な意味で印象深い、ある意味ショッキングな体験でした。 既に何人かの楽員も書いていますし、神フィルの音楽監督もなさっているシュナイトさんなので、東京方面では有名なのかと思いますが、古き良き時代の巨匠風と言うのでしょうか・・。 ワンマンと言うか、暴君と言ってもけして過言ではないと思える練習の進め方は、はたして今の時代に受入れられるのか・・・。私個人は疑問を拭い去れません。 しかしながら、チェリビダッケやバルビローリなどを髣髴とさせる、ある意味「癖になりそうな」極めて音楽的な音を、たった一回の客演でオケから引き出す瞬間も確かにあり(事故もありましたが)、評価は分かれるところだと思います。 1930年生れのドイツ人。歴史も背負っているだろうし、色々とおありだったんだと思います。 再び彼の指揮で演奏したいか?と言われれば、あくまで私個人の感想は素直にイエスとは言えない心境ですが、日本にはもういらっしゃらないとも聞いています。 どちらにせよ、歴史的な貴重な体験をさせていただきました。
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