12月25日、26日の「札響の第九」公演で”札響合唱団”がデビューしました。札響合唱団は本年9月にオーディションによって二百数十人の応募の中から選ばれた47名によって発足しました。わたしたち札響にとって専属合唱団の発足は長年の悲願だったわけですが、今回の公演はまさに大願成就を得た思いの素晴らしい公演でした。
本両日の第九公演は札響合唱団のフルメンバーと札幌放送合唱団、札幌アカデミー合唱団の選抜メンバーからなる編成だったのですが、こんなに気迫のこもったハイレベルの第九の合唱を聴いたのは正直言って始めてです。第九の演奏では普段どうしてもオケの音量が合唱に勝ってしまい、全奏の場所ではフォルテッシモはフォルテ、という具合に音量を加減するのが常なのですが、今回は14ー12ー10ー10ー8型の大編成の札響がフルスロットルで鳴らしても合唱が劣る箇所は一つもありませんでした。
技術、表現力もさることながら、気合の入った合唱に感動しました。次回のマーラーの「復活」も本当に楽しみです。
初回の合格者は47名でしたが、プロオケだって入りたければ皆何度でもオーディションを受けます。不運にもオーディションに漏れた方も是非また受けて入って欲しいと思います。
第九公演はお蔭様で2日間ともチケット完売の盛況でした。オケと合唱と聴衆とホールと、四拍子揃って札幌と北海道の未来は明るいですな〜。

合唱団の最後の一人が退場するまで聴衆の熱い拍手は止まなかった。(2日目の公演より)
ヴァイオリン石川希峰さん定年退団('06.12.9更新)
|
12月8日、9日の定期演奏会をもってヴァイオリンの石川希峰さんが定年退団になりました。石川さんは中国中央歌劇院のコンサートマスターなどを経て昭和63年入団、以来18年間札響に在籍しました。’98年にはチェリティーコンサートの収益金で故郷中国の小学校再建などに尽力し話題になりました。
最期となった定期演奏会では女性楽員から花束が贈られお客さんからの暖かい拍手に応えていました。長い間お疲れ様でした。

石川希峰さん。最期のリハーサルを終え楽屋にて。
セカンド・ヴァイオリン首席に大森潤子さん就任('06.8.9更新)
|
'06年8月1日付けで長らく不在だったセカンド・ヴァイオリン首席に大森潤子さんが就任しました。大森さんは東京芸大を首席で卒業、在学中に安宅賞を受賞。第63回日本音楽コンクール第2位入賞。98年ドゥエ国際ヴァイオリンコンクール第2位大賞を受賞。第10回日本室内楽コンクール第1位。併せて東京都知事賞を受賞・・・・、沢山あって書ききれないのでここを参照。
そんな輝かしい経歴の大森さんは業界では知らない人はおらず、ご本人からも”ただ者ではない”オーラが立ち上っているのですが、実際に話してみるととても気さくでおもしろく、謙虚な人です。こういう場合好感度は非常にアップしますね(笑)。
いつものようにインタビューしました。饒舌な人です。今回は長いです(^^)。
札響の印象は?
東京で共演していたピアニストが北海道人が多かったり、道民には何故か縁があります。皆親切で外の人を受け入れる気風。札響の楽員だけでなく、飲み屋で隣に座った人や(笑)北海道の人全体から受ける印象です。
音楽以外で興味のあること、趣味などあったら・・
実は切手収集、葉書集めが趣味です。最近では珍しがられます(笑)。あと美術館巡りが好きで演奏旅行先では時間が許せば必ず寄ります。
確かに切手収集は今時珍しいですね・・(笑)。ところで東京で大変ご活躍してた大森さんが何故札響に?
そうですね、人生の偶然が色々重なったり、巡り合わせのようなものを感じます。今まではソロや室内楽や大学で教える事が中心でしたから、オーケストラは私にとっては”転職”です。ただ、オーケストラというものには以前から興味はありました。
札響での抱負を教えてください
まずは早く札響サウンドを体験したいですね。大編成や定期にはまだ首席では乗ってませんし。今までは室内楽で1stを弾いていたので、こちらに来てから2ndの重要さを認識してます。自分は(旋律を)歌う事のほうが合っていると思っていたのですが、旋律を支える2ndの役割や木管や他のセクションとの絡みがとても面白いです。
時間はかかるかもしれませんが、セクションの皆さんに「座っただけで安心」と思ってもらえる首席になれたら最高です。
どうもありがとうございました

大森潤子さん(06.8.9.
室蘭文化センター舞台裏で。)
7月1日付けでヴァイオリンに新入団員が入りました。小笠原優子さんです。相愛大学を卒業後渡欧。プラハで2年間研鑽を積みました。「相愛のオーケストラを尾高さんが指導していらしたこともあり、札響には大学在学中からとても興味がありました。入団できてとても嬉しい」とのことです。
札響の印象はみなさんとても暖かく雰囲気のいいオケだということ。好きな作曲家はブラームス。”美味しい食べ物とお酒が好きな楽天家”だそうです。とにかく最初の何年かはオーケストラのレパートリーを必死で覚えたい、とにこやかに抱負を語ってくれました。

小笠原優子さん(06.7.2
初本番前のkitaraステージ裏で。)
桂冠指揮者
岩城宏之氏逝去 ('06.6.27更新)
|
6月23日24日の定期演奏会において、岩城氏を悼んで開演前のロビーにて札響と岩城氏の歴史を綴った写真展、公演ではプログラムに先立ち岩城氏が札響音楽監督時代によくアンコール曲として取り上げたシューベルトのロザムンデ間奏曲が演奏されました。
またロビーコンサートは急きょ曲目を変更しプッチーニの「菊」を演奏しました。
謹んでご冥福をお祈りします。
【歴任】(6月定期プログラムより)
1975年10月〜78年9月 正指揮者
1978年10月〜81年7月 音楽監督 正指揮者
1981年8月〜 88年3月 音楽監督
1988年4月〜 桂冠指揮者

ロビコンの風景(撮影:Hボン)
ヴァイオリンの山本洋美さん定年退職 ('06.4.22)
|
4月定期(同月21日、22日)をもってヴァイオリン奏者の山本洋美さんが定年退職となりました。山本さんは昭和40年8月入団以来41年間の長きにわたり札響ヴァイオリン奏者として活躍しました。
4月定期はブラームスのドイツレクイエムでした。終演後ステージ上で尾高さんから花束を受けとり、多くの聴衆、ステージ上のオーケストラ、合唱団から拍手受ける中、お客さんに深々と挨拶する姿が印象的でした。
昭和40年8月と言えば私(荒木)が生れる1月前。40才の自分が生れる前から札響の楽員とは・・、何やら神々しいです。
創立当時を知る楽員はほとんどいなくなりました。長い間お疲れ様でした。

4月22日開演前、ステージ裏で。
新入団員報告 打楽器(首席奏者・ティンパニー)('06.1.9)
|
1月1日付けで打楽器に新入団員が入りました。
武藤厚志さん。東京都出身、1981年生れ。日大豊山中学・高校の吹奏楽部で打楽器を始め、東京音大卒業後は桐朋オーケストラアカデミーで学ぶ。
N響ティンパニー奏者久保昌一氏に師事。
プロオケのティンパニー奏者は狭き門ですが、オーディションを勝ち残り入団です。
何故札響を受けたのですか?という質問には、オーディションのタイミングが良かったのもありますが、性格的に東京よりも地方で腰を据えてじっくりと音楽に取り組みたかった、ジュニアオケ時代に習った事のある尊敬する福田さん(トランペット)がいらっしゃったことなどあります。東京以外のオーケストラを受けるなら札響がベストと思っていました。とのこと。
ティンパニーが活躍して目立つチャイコフスキーなどロマン派の作曲家が好き。機械が苦手のアナログ人間。今まではとにかく練習、練習の毎日、これからは少しは生活も楽しみたい、カラオケとお酒が好き。札響は多趣味な方が多そうなので趣味の師匠を探します。とのこと。
終始にこやかにインタビューに答えてくれました。1月9日のkitaraニューイヤーが団員としての初舞台です。

2006/1/8/kitaraステージでリハーサルの休憩時間
|