「札響NOW 第二回 〜新コンサートマスターに聞く〜」 (2005年11月10日札幌コンサートホール楽屋にて。インタビュア:荒木) 札響NOW第2回目の今回は6月に就任したコンサートマスター、伊藤亮太郎さんにご自身のことや今後の抱負などを語ってもらった。
伊藤さんというととても華やかな経歴がまず思い浮かびます。カルテット(※)始め、リサイタルやサイトウキネンでコンマスを弾いたり、徳永さんたちとの弦楽アンサンブルなど引く手数多ですよね。東京の仕事だけでも充分に見えますが、どうしてわざわざ札幌に? 伊藤 昨年の暮れ頃から札響にはゲストコンマスとして何度か呼んでいただいていました。そんな折り、わりと急に札響からオファーがありました。最初は驚いたのですが、オーケストラで弾きたいという思いは以前からありましたし、お引き受けすることにしました。 昨日初雪が降りましたね。札幌は寒いし遠いし・・。迷いはありませんでしたか? 伊藤 無いといえば嘘になります。札幌は実際遠いし寒いし(笑)。でも、日本を代表する指揮者の尾高さんと高関さんが振ってるオケですし、オケ自体も(技術的、音楽的に)しっかりしている。他のオーケストラからも誘いはあったんですが、どうせやるなら札響でやりたいと思いました。 なるほど・・・。今は東京と二重生活ですね。東京の仕事が沢山残ってるでしょうから、6月の就任から乗り番も少なかったですね。本当はもっと早くお話しを伺いたかったのですがなかなか機会がなくて。(笑) 伊藤 すいません(笑)。でも今回の(11月)定期から下半期はほぼ全乗りですよ。一昨日から中島公園近くのマンションに入居しました。東京には家を借りてますし、昨年結婚した妻を残して来ていますが、一応サッチョンの仲間入りです。 古川さんたちとのカルテットは休止中でしたね。でも今後も続けるんですよね? 伊藤 古川君は(桐朋)高校時代の同級生で、それ以来の腐れ縁です。カルテットは今は休止中ですが柳瀬君が一時帰国するので来年の8月から活動を再開する予定です。オーケストラ奏者にとっても室内楽をする事はとても大切だと思います。室内楽活動で得たものを札響にうまくフィードバックできればと考えています。 そうですね。室内楽はとても大切だと思います。札響は最近アンサンブル業務などもあり、わりと室内楽は盛んではないかと思います。ただ東京と違って組めるメンバーに限りがあるのが悩みといえば悩みですね。 伊藤 でも、その代わり団内の親密度は東京のオケの非ではないように思います。たしかに刺激は少ないかもしれませんが、悪い面ばかりでもない。 最後に札響やファンに逆に期待したい事があったら教えてください。 伊藤 市民道民の皆さんが札響を盛り上げて下さっているのは、東京のオケから見ればとても羨ましい状況だと思います。札響がさらに”街の誇り”になるためにできることは、やはり一つ一つの演奏会で妥協のないものを作る。これしかないと思います。ファンの皆様にはいい意味で札響との緊張関係を作って下さる事を期待したいです。 なるほど。緊張関係は大切ですね。まったく同感です。。・・あ、そうそう。趣味があったら聞かせてください。 伊藤 スポーツ観戦が好きです。野球やサッカーもいいですが、K1などの格闘系が大好きですね。 ありがとうございました。サッチョン生活をエンジョイしてください。
(※)【ストリング・クヮルテットARCO String
Quartet ARCO】
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