エリシュカさんの名曲シリーズは所用で聴けず、12月定期には満を持して?。指揮者も独奏者も未知の人。曲もチャイコフスキー以外はあまり知られていない。初物嫌いの札幌らしく?空席が目立ち、正面以外の特に両翼が寂しい限り。吹奏楽関係の女子高校生が目立った。タン・ドゥンは今や世界的な中国の作曲家。演奏が始まっても咳が聞こえる。曲自体は日本人には親しみやすいと思うが…。最後にオーケストラに声を出させた。以前、PMFで来た時はもっと難しい声出しを求めていた。トランペット協奏曲の独奏者は今をときめくベネズエラ出身で、ドゥダメルの活躍が決してフロックではないことを思わせた。洗練さは今ひとつだが聴かせる演奏だ。そしてチャイコフスキー。開演前の解説では作曲時期が露土戦争と重なり、トルコがブルガリアに侵攻したころだという。そんな歴史的背景かブルガリア出身の指揮者は力が入っていた。指揮自体はケレン味がなくオーソドックスで、しかも全くの暗譜。29歳の若さに似合わずじっくりと聴かせたが、フィナーレはややあおり過ぎ。じわじわと盛り上げてクライマックスに到達する、ある種のタメがあっても良かったと思う。オケはエキストラが最小限で正団員による緊密なアンサンブルを期待したが、弱奏がところどころで曖昧だったように感じられた。老大家の安定した演奏もいいが、若手のはつらつとした舞台は颯爽として気持ちがいい。
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