夜の公演を聴きました。素晴らしかったです。最大の功労者は尾高さんでしょう。私にとってほとんど初めて聴く曲ばかりだったのですが、プログラミングが最高でした。尾高さんが演奏前のプレトークで話していましたが、「素晴らしいシェフは自分が本当においしいと思う料理しか出しません。今夜の曲は皆私が大好きな曲ばかりです。」とおっしゃっていましたが、選曲も演奏もまさにその通りの内容だったと思います。オネゲル「夏の牧歌」は小品ながらとても美しい曲でした。そして、サンサーンスの2曲のチェロ協奏曲には本当に感激しました。曲も素晴らしかったけれど、何と言ってもイッサーリスさんのピンチヒッターのタチアナ・ヴァシリエバさんのチェロ。大きな楽器があたかも彼女と一体となっているような感じを受けました。尾高さんが「この2曲を一晩で弾けるチェリストは世界に何人もいません。」と言っておられたのがうなずけました。決して男性のように力強い演奏ではありませんが、繊細でエレガントでしかもオーケストラとぴったりと息を合わせる柔軟性がありました。そして、難曲の第2番になってその特徴は衰えるどころかむしろ際だちました。今日(土曜)の演奏会を休もうと思っている方がいたら是非、思い直してください。絶対に後悔しますよ。デュルフレのレクイエムは超美しい曲でした。どこかフォーレのレクイエムを思い出すところもありましたが、恐らく作曲者も意識して書いたのではないでしょう。合唱も素晴らしかったです。繰り返しますが、今日のプログラムは尾高さんがやりたくて仕方なかった曲を集めたのだと思います。尾高さんファンには必聴の演奏会だったと思います。 |