金曜夜の公演を聴きました。マーラーの第3番を生で聴くのは初めてでした。それにしても演奏時間100分の曲を一気に聴くのは聴く方にも集中力を求められますね。私の場合、不運にも隣に中学生くらいの子供が座り、ずーっとプログラムをいじったり、挙げ句の果てには携帯まで出す始末でなかなか曲に集中できませんでした。これは親の責任ですね。さて、演奏の方は素晴らしい集中力を最後まで維持したと思います。功労者はたくさんいると思います。しかし、私としては何よりもトランペットの福田さんをあげたいと思います。素晴らしい演奏だったと思います。この曲の1番トランペットを吹く方は恐らく前の日眠れないのではないでしょうか。しかもこの曲は最初から最後まで難しいフレーズばかりが要求されます。中でも第3楽章の舞台袖の演奏は超難関だと思います。私も趣味でトランペットをやっていたのでよく分かります。福田さんの演奏はパーフェクトでした。あのトランペットを聴くだけでもこの日は価値がありました。福田さん以外にもマーラーらしい深い響きを聴かせたメゾソプラノの手嶋さん、それを堂々とサポートしたコーラス、トロンボーンとバイオリンのソロも充実していました。尾高さんの演奏はいつもと同じように奇をてらったところのない素直な真摯な演奏だったと思います。マーラーの曲の中ではあまりおどろおどろしいところが少なく、むしろさわやかで暖かい表現が多いこの曲は4番と共に尾高−札響に向いているのではないでしょうか。それにしても第6楽章の集中力と盛り上がりは素晴らしかったですね。二日目はどんな演奏になるのか聴いてみたかったですね。どうかその様子も教えてください。兎に角、大感激の一夜でした。 |